納骨するのに適切なタイミングとは?納骨の手順やマナーも解説
大切な人との最後の別れを迎えると、悲しみに暮れながらも、お通夜や葬式など、さまざまな儀式を執り行わなければなりません。納骨にしても同じことです。今回の記事では、葬儀後の流れの中で重要な位置を占める納骨のタイミングについて、解説していきます。検討材料にしたうえで、ふさわしい決断を下してみてください。
一般的な納骨の時期とは?
実は、納骨の時期には正式な決まりなどありません。1948年に制定された墓地埋葬法にも具体的な記述はなく、基本として、いつ執り行ってもいいものとされています。ただし、いろいろな面から考えていくと、やはり適切なタイミングはいくつかあるのも確かなことです。
もっともポピュラーな時期は四十九日を迎えるときでしょう。改めて説明すると、四十九日とは、仏教用語で忌明けも呼ばれ、故人が極楽浄土へ行けるかどうか判断が下る期間とされています。その大切な節目を迎えるにあたって執り行われるのが、四十九日法要というものです。ほかと比べても、いちばん重要視されている法要といっても過言ではありません。当然のことながら、親族関係者も大勢集まりやすいので、納骨のタイミングとして理想的です。
ただし、注意すべき例外もあります。新たにお墓を建てる場合だと、完成まで一定の期間が必要なため、四十九日に間に合わないケースが出てきます。その際には、喪中が終わる一回忌やひと区切りにしやすい三回忌を念頭に納骨するのが一般的です。
つけ加えるなら、百か日法要もふさわしい機会でしょう。ちなみに、これは故人を失った悲しみがようやく落ち着く日数に由来しています。繰り返しになりますが、納骨するタイミングには正式な決まりは存在しません。四十九日、百か日、一回忌、三回忌、といった節目の法要時に執り行うことが、納骨時期の目安として最適になります。
納骨の手順
遺族と話し合い、納骨時期を決めた後、次に必要なのは、納骨方法を選ぶことです。もともとお墓があるのなら、そこに納めるだけで済みますが、なければ新たに建てる必要があります。昨今の傾向として、さまざまな事情から永代供養墓や納骨堂などで供養するケースも増えつつあるのです。このことも頭に入れておくといいでしょう。
どこに納骨するのかが決定したら、お寺に納骨の旨を伝え、正式なスケジュールを組んでいきます。納骨式の費用は、合計で数万~10万円ぐらいが大まかな相場となっています。その内訳は、お寺へのお布施が3~5万円、墓石開閉の費用として石材店に支払う1万5,000円~3万円ほど。お坊さんのお車代や会食費用など、関連して別途必要になる点も計算しておきましょう。
すべての項目を考慮したうえで具体的な計画を立てるのが理想的な対策法です。そして、納骨式にのぞむにあたって、埋葬許可証をはじめ、火葬許可証、墓地使用許可証などの準備もお忘れなく。
続いて、列席人数や会食場所の決定など、こまごまとした過程を経て、たとえば四十九日法要後の流れで、故人と関わりの深い血縁者によって納骨式が執り行われます。実際の場面では、お墓の前でお坊さんが読経し、焼香の供養。納骨式後、お斎と呼ばれる会食にて列席者同士が故人を偲びます。
納骨の際のマナーについて
納骨式は、節目となる大事な儀式でもあり、服装を含め、一定のマナーが必要なこともあわせて気をつけておくべきポイントです。
服装については、四十九日法要と同時であれば喪服がスタンダード、それ以降の時期に行う場合は平服でも大丈夫とされています。その際に踏まえておくことは、御香典の表記です。四十九日法要では御霊前、以降は御仏前、とそれぞれの香典袋でのぞみましょう。御香典の相場は5,000円~1万円となっています。
次に、納骨時にお墓などに供える生け花に関する注意事項です。椿や藤など、納骨に際して縁起の悪いとされる花はもちろんのことですが、強い香りを放つ花や花粉がつきやすい花は避けたほうが無難でしょう。
生け花のほかにも、お供え物はいくつもあります。地域性が色濃く反映されるものでもあり、また宗派によっても異なってくるのが特徴です。フルーツや野菜、昆布などの海産物、一升瓶のお酒、丸餅、洗い米、塩、お菓子など以外にも、故人の大好物を供えるのもひとつの気持ちの表し方になります。
まとめ
納骨式は、お通夜や葬式と並んで、故人に対する悲しみにひと区切りつけ、日常の暮らしに戻っていくためにも欠かせない儀式です。今回の記事では、四十九日法要、一回忌、三回忌など、納骨の理想的なタイミングについて解説しました。
一連の儀式は、あの世へ旅立った故人を偲ぶものであると同時に、残された遺族のみなさんのためのものといってもいいかもしれません。節目の儀式を重ねていくことで、立ち直れないほどの傷心もゆっくり回復していき、再びいつも通りの生活が始まります。そのことを今一度認識したうえで、紹介した情報を参考に、やがて訪れるだろう納骨式に対処してみてください。